おしゃべりご近所さんの会話術

近所にすごくおしゃべりな人がいる。普通にいい人なのだけど、彼女につかまると大変。最短でも30分ぐらいは一方的に話し続ける。「昨日友人と近所のレストランで食事をしたんですよ。あれこれ話をして楽しかった。」….みたいな話し方じゃなくて、話が会話調になってる。”I said ~ ~and she said ~~….”みたいに。そして女優のように感情をこめて話す。

こんな感じ。

昨日友人とレストランでランチしたの。彼女が「あら、ここのランチ最近味が落ちたわね」と言ったので私は「そんな事ないわよ、いつもと同じ味よ。あなたの味覚が変わったんじゃない?」て言ったのよ。そうしたら友人は、「私は元料理人よ。味覚には自信があるわ。昨日だってケータリングを頼まれたばかりなのよ。そんなプロの舌を持つ私がここのレストランの味が落ちたって思うんだから、ぜったいレストランの味の方が変なのよ!きっと料理人が変わったんだわ。もしかしたら材料をケチっているのかもしれない。」

こんな感じで「詳細な」会話を再現してくれる。 話の内容はたいして面白くないけれど、会話を詳細に覚えている、というところがすごい。

彼女、He said の時は男のように太くて低い声で話す。彼女の機嫌がいい時は、かなりの頻度で「わーははは!」と話しの切れ目のところで大声で笑う。

夫に、「近所の~さんって、人との会話を詳細に覚えていてすごいね。彼女が子供だった頃の会話も再現してくれるよ」と言ったら「作り話が8割だと思うよ」との返事。

なるほど、そうかもしれない。 過去の経験や体験の内容をなんとなく覚えていて、人に話す時にあれこれと肉付けして「詳細に」話すのかもしれない。しかも会話式で。

そう言えば義母がそうだった。 彼女の話はいつも「I sid…. and He said….」だった。何時も義母の話を聞きながら、私の頭の中では映画のように登場人物が会話していた。

ふと気が付いたんだけど、アメリカ人は(主に女性)こういう話し方をする人が多い。私が比較文化研究者だったら、100人ぐらいの人と会って「過去に一番印象に残っている経験や体験について話してください」と質問してみたい。

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