他人の鼻毛を自然な事として受け入れた日

鼻毛がちょろっと出ている人を見てどう思いますか?若い頃は嫌でした。どさっと出ている人は論外ですが、ちょろりと出てる人も嫌でした。しかしあの日を境にチョロリまたは適度に伸びている人への嫌悪感は無くなりました。

あの日とは….。20年前の友人のお母様のお葬式の日です。

教会での式が終わり、埋葬のために教会墓地に出た時に友人のお父様と話す機会がありました。友人と同じで、とても穏やかで優しい雰囲気のお父様。立派な体格をしていて堂々としていて品位があり、教養深い方であるという事が一瞬にして伝わってきました。

輝く太陽が慈しむように降り注ぎ、昼間の教会墓地は光に満ち溢れていました。

そんな中で友人のお父様の顔を近くで見ながら会話をしたのです。優しそうな端正な笑顔。ですが….鼻毛が両鼻からかなりの勢いで飛び出していたのです。

この瞬間に、人の鼻毛を自然な事として受け入れることができるようになりました。

鼻毛は人間の体の一部であるので、鼻毛ちょろりは誰にでも起こりうる現象です。老眼で近くがよく見えない人は、チョロリどころかかなりの勢いで出てしまう可能性もあります。

この日以来私は、人の鼻毛を見ても特に気にする事なく自然に受け入れる事ができるようになりました。友人のお父様に感謝です。

ところで、友人に「何も気の利いた言葉をかけることができずにごめんね」と言ったところ、彼はこう返してくれました。「そんな事ないよ。だって君はここにいる。それだけで嬉しいよ」と。

彼とは今でも良い友達です。 

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